詳しい経緯を読む当時の成果、進め方と判断基準、AIでの再現
実績(当時の成果)
海外ゲーム会社の日本向けマーケティングを統括し、テレビCMの実施を判断しました。ネット広告はすでに大量に出していて、広告を見たことはあるのに遊んでいない人が多い状態でした。ネット広告だけでは伸びが止まると見切り、テレビCMで「自分も遊んでみよう」と思わせる、という仮説を立てました。放映先は、費用の高い東京の主要局を外し、地方を中心にしました。同じ予算なら、地方に広く流したほうが多くの人に届くためです。東京の利用者には、ネット広告などで届ける設計にしました。放映前に結果の見込みを何通りも試算し、放映中は毎日の数字を見て、効果が出た分だけネット広告の予算を引き上げました。テレビCM月の売上は、目標約8億円に対して約10億円になりました。
翌年のテレビCMは、目標に届きませんでした。CMへの反応は前回より良かったものの、アプリの評価が下がっていて、広告を見た人がダウンロードに進まず、広告を伸ばしきれませんでした。広げる前に、受け皿の状態を確かめるべきだったという教訓です。上場の建設テックSaaS企業でも、BtoBの商材でテレビCMを実施し、効果を検証しました。
型(進め方・判断基準)
- ネット広告の限界を、数字と顧客の声で見切る(広告に何度も触れているのに、動かない人が多いか)
- テレビCMで変えたい顧客の行動を、仮説にする(例:「自分には関係ない」を「やってみたい」に変える)
- 放映エリアと出稿量を、地域ごとの費用対効果で決める。テレビで届かない層は、ネット広告で補う
- 過去の実績から、良い・普通・悪いの3通りの試算を作り、それぞれの次の一手を放映前に決めておく
- 放映中は毎日、獲得単価と投資回収の見込みを追い、成果が出ている間だけ予算を増やす。終わったら振り返り、次回の判断基準を更新する
判断基準:失敗しても致命傷にならない範囲でしか始めない(負けない設計)。市場が大きい地域を、そのまま選ばない。CMの出来が良くても、受け皿(商品・評判・申込みの導線)が弱ければ広げない。CMの表現は、複数の案を放映前にネットで試してから決める。
AI再現(今ならこう再現し、社内に残す)
当時は、過去の出稿データを集めて試算表を作り、放映中は毎日の数字を手で集計して判断していました。今は、過去の広告と売上のデータをAIに読ませれば、3通りの試算を、条件を変えながらすぐに作り直せます。放映中は、AIが毎日の数字を集め、予算を増やすか絞るかの判断材料と、事前に決めた次の一手のどれに当たるかを示します。振り返りの記録は次回の試算の前提として残り、担当者が替わっても同じ基準で判断できます。



